スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| スポンサードリンク | | - |
Entry: main  << >>
『 きみのためにできること 』
050908初出 060624










「あ〜いたー!おーい!俺だよ!」
 手の平に一つずつ持っていたコーヒーを片手に持ち替えて、ぶんぶんと手を振る。
 タカミツと、大羽が通り抜けてしまったからそうして声をかけたのに。
「…あれ?」
 気付かなかったのかな?
 …いや、そんな訳無い。
 声をかけたとき確かに、一瞬だけど大羽の背筋が伸びたのを、俺は見逃さなかった。
 なのに。
「行っちゃった」
 大羽。
 いやタカミツも一緒に通ったは通ったんだけどね。
「…もう、生真面目だなぁ」
 そう呟いて苦笑した。
 きっと大羽の事だから。
「弱気になんかさせないのになぁ」
 話して、つい愚痴を言ってしまいそうだって、そう思ったんじゃないかなぁ。
『明日100km行軍!?…そっかーもうそんな所までか…』
『知っとるのか?』
『うん。有名だよ〜訓練隊の行軍。前におずの先輩がやってて、応援にも行ったし』
『ほうか』
『じゃあいよいよだね。オレンジ』
『おう…』
『頑張ってきたからね』
『…モト』
『ん?何?』
『後で、時間取れんか』
『え?いつの?今の?』
『行軍の、後』
『あ、うん。大丈夫だと思うけど…』
『なら、行軍が終わったら、連絡入れるけぇ』
『うん』
『じゃあ、また。その時に』
『え、あ、じゃあ、その時。連絡待ってるから』
 GWの中日にそんな電話が大羽からあって。
 それまで洋上だったから、連絡がつかなかったってのもあるんだと思うけれど。
 電話の締め括りのその時に。って言うのがなんだか。
「大羽なりの、なんだろうな」
 決して辛いと泣き言を言わなかった、電話。
 GWの事だって俺は知ってた。
 電話をかけてきた日が、検定最終日だって事も。
 知ってた。
 けど大羽そんな事何一つ言わないで。
 洋上から戻った旨のメールを送ってすぐに。
 電話を返してくれて、お疲れさん。ってそんな事。
 大羽だって疲れてるのに。
「意地っ張り」
 でもそこも大羽のいい所でもあるし。
 通す事が、今はいい意味で大羽を動かしてるんでしょう?
 だから、邪魔は。
「頑張れ。大羽」
 今はこうして見送る。
 それが、今俺の、君の為に出来る事。























END
| なつき | 00:00 | - |
スポンサーサイト
| スポンサードリンク | 00:00 | - |

PR

Calendar

   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< May 2019 >>

Profile

Recommend

Search

Entry

Comment

Archives

Category

Link

Feed

Others

無料ブログ作成サービス JUGEM

Mobile

qrcode